電音の歩み

電子楽器を中心とし、ものづくり関係も含めて紹介していきます。

ARM_Theremin (アームテルミン) はその後どうなっているか その2

■完成品への課題

電子工作ガジェットのキットから完成した楽器に近づけるには課題がいっぱいあります。

(a) 楽器としての完成度

 当たり前のことですが、回路がむき出しや、ケース中の基板のスイッチを触るなどの仕様はNGでしょう。また強度が弱く壊れやすいなども。

(b) 製造の手間(コスト)を下げる

 今までのキットを製作するには、手作業で優に2時間/台くらいはかかります。

 いくら部品代を抑えてもこの工数では成り立ちません。

(c)部品の入手性

(d) 演奏しやすい

 演奏してもらうための完成品なので、UIが実際に使えるものにならないといけない

 

■ぼちぼち取り組んできたこと

ケースの製造も手間が多いのですが、レトロな感じで評判が良いのでとりあえずこの方向は継続するとして、この形態で、

・回路基板をケース内に収めつつ、UIはケース外に出す

・表面実装部品に変更する。このメリットは4つあって、

  ・将来基板発注と同時の部品実装サービスを使いやすくなる。

  ・部品の入手が容易

  ・実装面積が小さくなる

  ・基板の片面だけで実装できるので、頑張れば基板の裏を外装のパネルにできる。

   こうすると、パネルと回路基板が共用できさらに相互の接続も省略できるので、

   このメリットは大きい。

 

■開発中の実例1

なんとか試作にこぎつけたのがこれです。

 

基板の表面がパネルで裏面だけで回路を構成していることがわかると思います。

また、このような面積で実装できるのも表面実装の威力です。

スピーカーとボリュームへのケーブルは、AliExpressで圧着済みのものが購入できます。

 

回路そのものは、ほぼ従来と同じです。

ARM Theremin

AVRマイコン ATmega328のソフトで62.5KHzの高速PWMポートから直接スピーカーを駆動しています。十分大きな音を出すために必要な、32オームの特殊なスピーカーは、デジット以外に入手困難なので、まとめて在庫を確保しました。

 

まだ課題はあります。

電源スイッチは、パネルの左横にあるスライドスイッチですが、

表面実装で似右手できるものは、小型で華奢であるので、無理な扱いをすると壊れやすそうです。他に使えそうな良いスイッチがないのが課題です。

 

これについては次回に。


 

 

ARM_Theremin (アームテルミン) はその後どうなっているか その1

■ARM_Thereminとは

アームテルミンは2015年ごろから開発を始めたオリジナル楽器です。鍵盤状のトーンサークルの上にアームを回転させ「テルミン」のようにポルタメントを主とした演奏ができる楽器です。

私のWebサイト( ARM Theremin )の方で、コンセプトや技術の紹介・デモなどをしていますのでご存じない方は見てください。

 

元々は、教育系の電子工作キットとして開発を開始したものですが、いつの間にかテルミン系の電子楽器として認識されてきました。

2017年くらいから色々なイベントで紹介し、マニア向けのキットを少量頒布(作るのに技術が必要なので)し、2019年、初心者でも作れる簡単バージョンキットを作り、今まで数10人の方が作られています。

      

  2019年にMakerFairなどのイベントで頒布しているキットの写真

 

ただ、興味を持たれる層が電子工作系のかたから、演奏サイドの方に広がりつつあり、

「作らないといけないの」という声が増え、完成品を検討しています。

 

実は、電子工作系の方は、「キット制作をされたあとそこで満足しておしまい」という傾向があり、「実際に楽器として演奏する」方はごく少数なので、

なんとかキットではなく完成して楽器に進化させる取り組みをしています。

 

続きは次回に

 

 

 

 

 

Synth Scope その3 内部構成について

Synth Scopeは、シンセの波形を手軽に表示するモジュールです。

測定器としての精度は重要でないので(と考えて)、マイコンのソフトで実現しています。

 

マイコンは、AliExpressで安価に買えるSTM32搭載のMaple互換(模倣)ボードであるBluePillを使っています。このボードは日本語の情報も豊富で、ブートローダを入れるとArduinoIDEで開発できます。STM32duinoと呼ばれています。

 

Displayは。0.96"の128*64画素のOLEDを使います。これもAliで購入。I2Cのは遅いのでSPIを選びました。 入荷に時間がかかったので複数ショップから購入したところ、わずかに形状・寸法が異なるものが何種類もありました。要注意です。SSD1306のライブラリ<Adafruit_SSD1306.h>が使えますので便利です。

 

信号入力は、AC入力はごく簡単なLPFを通して単電源OPアンプで受け、DC側もOPアンプで受け別のアナログ入力につないでいます。A/Dが豊富にあるのでアナログでの切り替えが省略できす。ラインレベル(1Vpp)とシンセレベル(10Vpp)の切り替えは、ソフトでゲインをかけて切り替えます。

EXTtrig入力はバッファリングも省略しています。

 

また、ミニジャックは、ステレオ/モノラルの両ケーブルを繋げるようにステレオジャックを使います。

 

mode SWは、オーデオ(lineレベル)、オーデオ(シンセレベル)、LFO(シンセレベル)、EG(シンセレベル)の4モードを切り替えます。

Trig SWは、Trigなし、内部Trig、外部Trigを切り替えます。

 

ソフトウエア構成は、Timer4で 70.312KHz ( 72MHz/1024 )のタイマー割り込みを構成し、

この中でオーディオ信号を128byte表示バッファへ取り込んでいます。サンプリングレートの変換やアンチエイリアシング、トリガ処理はタイマー割り込み内で行います。

 

OLEDディスプレイへの表示はAdafruitのライブラリを使います。

バッファをSSD1306へ転送するのに7msほどかかりますので、表示ループは10msで回します。

ここでの注意点は、analogRead関数の実行中にタイマー割り込みがかかり、その中で別のanalogReadをすると、analogReadがフリーズするようなので、排他制御を行っています。

 

低速が重要なLFOモードとEGモードは、10msのループ内でサンプリングしています。

 

またデモ用として、回路図の左上のコネクタにVRとSWを接続した小基板をつなぐと、ソフト的に発生する正弦波と、SWでゲートを与えて発生するEG波形を表示することができるので、

信号源につながなくても、SynthScopeの動作のデモが可能です。

 

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Synth Scope その2 機能モデルを作りました

一部の方からの期待が強い(?)モジュラーシンセ専用オシロスコープの機能モデルができました。

本来なら、MakerFairなどでの展示・頒布が目指でしたが、当面機会がないので、ブログで紹介します。

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仕様は「Synth Scope その1」のマイナーチェンジで、UI が整理され、少し機能が強化されました。

また測定器ですので、信号源につながないと動作しないため、手軽にデモができないので、写真にある小基板を接続するとデモ用のモードになり、

内蔵オシレータやEGを使って、単独での機能デモができるようになりました。

 

スイープレンジは、画面に1波形表示させた場合の周波数と音名で調整します。

レンジは、C0(65Hz)からA7(14080Hz)までの7オクターブを、4分割/オクターブ 刻みで細かく切り替えられます。 C, D#, F#,A のディミニッシュスケールです。

音の確認が主用途ですので、音高を見失わないようにしました。

 

LFOモードは、同じく画面1波形のとき、約0.01Hzから約10Hz程度です。

 

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次回は、内部構成を紹介します。

なお頒布は、表面実装部品が多いのでキットには向かず完成品になるので、

外部に実装依頼できるところまでは、つらい実装作業になります。

Synth Scope その1 試作しました。

安い中華製のOLEDディスプレイを試しているうちに、シンセ専用のオシロスコープができました。

 

モジュラーシンセでは、波形を見たいことはよくあり、実際オシロのモジュールも売られています。多分オシロスコープのユニットをモジュラーに組み込んだ構成だと思います。しらんけど。

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今回は、デジタルシンセのソフト構成を基本として、

 ・初段の音源部を波形の取り込みに置き換える

 ・最後の発音部を、波形表示に置き換える

で、

コンセプトは、シンセ専用のオシロ

・調整は最低限で、パッチするだけで見たい波形が見れる。

 入力レベルは、10Vpp,Lineレベルを切り替える。もちろん調整はできる。

・シンセ専用の波形表示モードとして

■1 サウンド波形表示モード

 耳で聞く音を表示するモードなので、チューナーのようにピッチがわかりやすくなっています。

  ・スイープ周波数の決定は、音階に合わせアンチログを設ける。

   とりあえず、オクターブをディミニッシュで4分割(C,D#,F#,A)とし、

   音名と周波数を表示(画面に1波形を表示したときの)

  ・トリガは、内部トリガだけでは、オシレータシンクや複数オシレータによる変調波形

   のような複雑な波形を静止できないので、外部トリガも用意します。

  ・使い方は簡単で、外部トリガをパッチするだけでオートで切り替わる。

■2 LFO表示モード

 ふつうのオシロでは表示が難しい超低周波専用の表示モードです。数秒周期の低速から数10Hzまでをカバーします。 これは使いやすいです。

 

■3 エンベロープ表示モード

 EGの波形表示専用のモードで、単発の波形でもきれいに表示できます。 

 これは、見てもらわないと説明がむずかしい。

 

それでは紹介動画をつくつたので見てください。

 

 

 

 

 

 

今年出展したイベント その4 MakerFaire東京(2019年8月3,4日)

MakerFaire東京  8月3、4日 ビッグサイト

MakerFaire京都は、エントリーし損ねたので、東京の方は早めにエントリーし、

無事出展許可がおりました。初めての出展です。

5時起きで久々のビッグサイトです。

となりの看板もMFTokyoなので紛らわしい。

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MakerFaireでの紹介ページ

https://makezine.jp/event/makers-mft2019/m0219/

 

  g200kg 新谷垣内さんとbeatnic 武田さんがブースの手伝いに来てくれました。

ありがとうございました。さすが東京。シンセ関係者が集まります。

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私のブースはこの写真の真ん中の奥です。すごい人波。

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イカーズバザールから日にちがない中、完売してしまった簡単アームテルミンと山下シンセのキットを必死で用意しました。用意するのも大変ですが東京まで運ばねばならない。今までの大阪近辺と違い宿泊の荷物もあるので、宿泊の荷物と2日目用のキットはホテルに宅配しました。

結果として、用意したキットは日目午前で完売。足らずは郵送することになりました。やはりMakerFaire東京は違います。DIYする層が厚く、買う気満々の人が多数います。初めて東京での出展なので待ち構えている方もおられました。

 

海外の方も多く、中華の人が何度もアームテルミンを触りに来て、会社予算でキットを買っていきましたが、少し心配です。 来年同じようなものが深センや上海に登場しないか・・・ 

 

今回新たな展示物は、アームテルミンライブ(光るやつ)試作弐号機です。

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イカーズバザールで展示していた壱号機は、ガジェットアームテルミンと同じAVRの回路を、表面実装部品を使って小型化し、コントローラ側にすべて入れようという発想でした。当然電池も内蔵し、コントローラから直接ステレオミニでライン出力を出す構成です。

しかし実際には電池を入れるスペースが小さく単四電池しか入らず、LEDを派手に光らせると電池の減りが早い。(電池残量を気にしながら演奏するのはストレスになりますし)

 

ということで、電源と音源を外付けにし、ラインアウトと同じステレオミニプラグ(3線)を使って、音源側から電源(2線)を送り、コントローラ側からシリアルデータ(1線)を送る仕様にしました。

改善点

・電池残量を気にしなくてよい

・LED駆動により乗っていたノイズが軽減される

・音源を8bitのAVRから32bit のSTM32に変更。

・電池なしになりコントローラが軽くなった。

 

下が音源モジュールです。

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シリアルデータは、連続音階楽器に合わせて適当に仕様を決めました。Midiを参考に。

特徴あるのは音階データで、Midiと同じ半音単位の整数部7bit に加えて、小数部7bitを持っており、2msごとに常時送出しています。

他には、トーンベロシティ、ビブラートベロシティ、トーンボリューム値、ファンクションボリューム値を4~8ms に一度送出しています。

トーンボリュームは暫定ですが、正弦波 → テルミン → ノコギリ波 → 二胡波形 をモーフィングで連続可変しています。

ファンクションボリュームも暫定で、ディレイエコーの遅延量と強さに反映します。

プッシュスイッチは、暫定でオクターブシフトと発光パターン変更になっています。

 

MakerFaire東京の他の楽器系ブースの紹介を、お手伝い頂いたg200kGさんが公開されています。

https://www.g200kg.com/archives/2019/08/maker-faire-tok-1.html 

今年出展したイベント その3 メイカーズバザール大阪(2019年7月20,21日)

イカーズバザール大阪  7月20、21日 ATC大阪

イカーズバザールは、去年も退院直後にリハビリ参加したので、これで4回目です。

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 年々規模が大きくなり、今年は10階で冷房も効いて快適な環境でした。

 今年は、伯さんと共同ブースということでしたが、伯さんは多忙で新たな作品が無いとのことで、午後からの参加になり、ほとんど私の展示の手伝いをしてもらっているような状況になってしまいました。すみません。

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 シンセ関係は伯さん、アームテルミン関係は私という説明体制です。

 

 アームテルミンは、MakerFaire京都での反省から、より製作が簡単な「簡単アームテルミンキット」を準備しました。基板をそのままケース表面にねじ止め設置する構造で、以前のキットで最も難しかったところが簡単になります。また、製作マニュアルも初心者前提に新たに作りました。

 マニュアル類は、ここに公開しています。

http://hyamasynth.web.fc2.com/ArmThermin/ArmTerminRoot.html

 表面パネルはあらかじめニス塗装済みとし、完成形がイメージしやすいキットとなりました。

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簡単アームテルミン

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キットの方は、MakerFaire東京との間が短いので、両イベント用を合わせて、簡単アームテルミンキット10セット、山下EUROシンセの2セット用意していたところ、メイカーズバザールだけで完売してしまいました。

急に売れ始めたのは、認知されてきたということでしょうか?

ただ作りだめしたつもりの在庫がなくなったので、MakerFaire東京に向けて再度作らねばならない。この感じなら、MakerFaire東京はもっと数を用意せねばならないかもしれない。荷物が増え持っていけるかな?

 

アームテルミンライブの方は、ガジェットアームテルミンの回路を流用した試作初号機から、一段階進歩した試作壱号機になりました。

全回路を表面実装にしてコントローラー側に乗せて一体化しました。

 

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コントロールとしてボリュームを2個用意しています。片方は波形セレクトでもう一つは未定です。

 

フリケンシーシフタは、マニアックなので希望者のみにデモ&体験をしてもらいました。