EuroRack版 山下シンセプロジェクト(VCF その1) VCFも基板が届いた
VCOでのノウハウを元に、大した検討もせずにVCFの基板をelecrowに発注したら、あっという間に送られてきました。
elecrowの5枚プロトタイプ発注が大変お得なことに気づき今回これで発注しました。というのは5枚発注では、なぜか基板サイズを基本の5cm*5cmから縦横倍の10cm*10cmにしても金額が変わらないのです。もっと枚数が必要な時は、これの発注数を何セットかに設定すればOK。 今回は15枚ということで3セットに指定したところ、24枚も送ってくれました。
回路そのものは「伝説の・・」の「今作るなら」の回路を12V化したもので、今回はトランジスタ・ラダー固定にしました。(個人的にはダイオードラダーも好きなのですが、入門用としては、動作原理も美しく、特性も素直で癖の少く、なんと言ってもモーグのエレガントな発明なので、最初はこちらでしょ)
12V化での回路変更はほぼアンチログ周りだけです。
ただ実装としては、基板の両面にボリュームとジャックを付ける関係で、VCOと同じボリュームが必要なのですが、aitendoはB型しか扱っていません。(問い合わせたが扱う予定無しとのこと)
オーディオ系の入力アッテネータとしてはA型が欲しいのですが、まだ入手のめどが立っていません。
そこで今回、B型の出力に負荷抵抗をぶら下げる方法で、A型ライクな特性に近づけることにしました。
ただ、全体傾向がA型風というだけで、回転角の少ない辺りはかなり異なりますが、本当にA型のカーブがベストなのかは確かめてないので、とりあえずはこれで良しとします。(実際のA型は、大抵3段以下の折れ線なので滑らかさに関しては今回の方が良い)
もちろんA型が入手できたときは、負荷抵抗を実装しなければ良い。
下図は、今回の疑似A型の特性。(50KのVRに10Kの負荷抵抗)
この疑似A型は、電圧を分圧するポテンショとしての動作限定です。(ボリューム両端のインピーダンスが変化します) 回転角と抵抗値にA型変化が必要な、レオスタットとしての用途では使えませんのでご注意ください。
実家の発掘1 工具類
現在マンション住まいをしていますが、独身時代は茨木市の実家で暮らしていました。
古い家ですが、そこそこの庭と倉庫があり、自室として別棟を独占できていたので、工作をする環境としては良いものでした。
この実家は現在無人であるため手放すことになり、保管されている色々なものを処分しなければならなくなりました。
ことあるごとに倉庫代わりに使っていたので本当に困ってしまいます。
また、亡き父が所有していた工具
などもいろいろあります。
親父自身は自己流の日曜大工を趣味にしていて、8畳玄関付きの倉庫をトタン張りで建てたりしていました。
今回まず、倉庫の不要物から父の工具類を取り出しました。
●日立電気大工(10点セット)
父が購入した最初の電動工具です。私の中学のときにはもうあったので50年は経っています。
大変思い出深いもので、私の初ラ連載の木工細工のキーボードも、このセットの卓上丸ノコで切りました。(今思うと1つ間違えれば指が飛んでいたかもしれません)
実際に親父が使っているのを見たのは、使用頻度順に、
・電動ドリル
・グラインダー
・ジグソー
・卓上丸ノコ
・電気かんな 荒削りに使っていました。
・サンダー
くらいでしょうか。
私は、ドリル、卓上ジグソー、卓上丸ノコ、サンダーを使った覚えがあります。
●ボール盤、角ノミ盤
上記セットへの追加セットです。これも同じ時期にありました。
モーターは二段変速ギヤー付きのものが追加されています。
試したところ、モーターは油の焦げたにおいがするのでギヤーのグリスがだめになっています。10点セットの方のモーターは大丈夫ですのでこちらを使えばOKでした。
このボール盤と角ノミ盤はよく使いました。
中学の技術で椅子を作る際、角ノミ盤でほぞを作りました。背伸びして釘無しで作って自慢していました。
●電気丸ノコ(リョービ)
倉庫作りをするのに、大きな材木を切るために購入したものと思われます。
私は使った記憶は無く、もっぱら危険な卓上丸ノコばかり使っていました。
刃の切れは悪いですが、スムーズに回転しています。刃を替えれば使えます。
●ジグソー(日立)
おそらく20年近く経っているかもしれませんが、軽いスムーズな動きでした。刃を替えれば使えます。
●ベンチグラインダー
比較的新しそうです。コーナンで購入したようです。ほぼ未使用で静かに回転しています。
●ノミ
ノコやカンナはかなり痛んでいました。ノミも状態は良くないですが、結構数が多かったので撮影しました。
親父は器用に研いでいました。私にはまねが出来ません。
●電動チェーンソー
これは2年前に私がコーナンで購入したものです。
実家の庭の端にいつの間にか生えて大きく育ったソテツのあのすごい量の堅い葉を毎年間引いて、それを乾燥させて減量し粗大ゴミに出すのに嫌気がさし、切り倒すために購入しました。
大きなソテツもほんの10分で切り倒し、粗大ゴミに出せるサイズに切断できました。
すごいパワーです。
マルチAVRライターの製作1
大学のイベント(ライトテルミン、LEDバッジ、ミニツリー他)や趣味のものづくり(アームテルミン、メロトロン他)などで色々なAVRを使用しています。
また開発環境はArduinoIDEを使用していますので、今まで「しなぷす」さんが公表されているライターを作って使ってきました。ありがとうございます。
Arduino用ブートローダ/スケッチライタの製作(1) - しなぷすのハード製作記
しかしLEDバッジには8pinSOPのATtiny85を使っており、
SOPのゼロプレッシャーソケットで書き込みたいとか、
書き込み終了後に動作チェックも済ましたいとか、
連続で焼くときに他の仕事をしながら焼けるよう、書き込み終了を知らせて欲しいとか、
DIPの8pin /16pinなどのAVRにも書き込みたいとか、
様々な要求がわき起こりましたので、あらたに試作してみました。
写真は今回製作したライターの基板です。
Elecrowで白基板を指定したのになぜか裏が黒いです。しかも裏の輪郭だけは白いという謎の基板が来ました。
実は前回失敗したので今回が2回目です。
前回は穴が小さくてゼロプレッシャーソケットが入らず、
ソケット同士の間隔が狭すぎ、
さらにはSOPのソケットの配線をミスっていました。
しかも表面の配線ミスのため箔カットして修正もできず高価なソケットを無駄にしてしまいました。
(こんな安価に基板が作れるようになったので、発注前の見直しがアマアマ)
実装済みのものを見ると機能が分かります。
まず、左に実装されているのはArduino Pro/mini 互換品(Aliで5枚$10で購入)でUSB/Serialを付けるとArduinoになります。スケッチにはArduino as ISPが書き込まれています。
中央の28pinゼロプレッシャーソケットはATmega328用です。(aitendoで250円、安い)
スケッチやブートローダを書く野に使用します。
ブートローダとスケッチを両方書きたい場合は、まずブートローダを書き込んだ後、USB/Serialを左上に半分隠れているPinヘッダつなぎ替えます。するとゼロプレッシャーソケットのATmega328がArduino UNO相当になりますので、IDEからブートローダを使った通常のスケッチ書き込みができます。
右上の20 pinゼロプレッシャーソケットは、8pin / 16pin /20pin AVR用のソケットです。(aitendoで200円、これも安い)
また右下は8pin SOPのゼロプレッシャーソケットです。バッジ用に多量に焼くことがあるので用意しました。(さすがにこれはaitendoでも2500円もします)
ケーブルに付いているクリップは、はんだ付けした8pin SOPのAVRにオンボードISPで書き換えるときに使用します。
下部の圧電サウンダはpro/miniに接続してあり、書き込み終了時にピポ音で知らせてくれます。これはArduino as ISP のスケッチにビープ音発生を追加しました。
また、右上のスイッチとLEDは、LEDバッジのスイッチとLEDのひとつとして接続されています。arduinoの環境で書き込むと、書き込み後直ちに動き出すので、これをつかうとSOPソケットのままで動作を確認することができます。
このスイッチとLEDは他のAVRにも接続していますので、スケッチで配慮すれば最低限の動作チェックに使えます。(例えば、書き込み終了してピポ音が鳴ってすぐにこのスイッチを押せば、確認モードに入りLEDを数回点滅する機能を追加しておくなど)
これで大変便利になりました。
20pin / 16pinのAVRはまだ試していませんが、たぶん大丈夫でしょう。
EuroRack版 山下シンセプロジェクト(VCO その3) 波形整形部
VCOの波形整形部です。
「伝説の・・・」では、連載での基板構成が発振部と波形整形に分かれていたのと互換をとるため、波形整形部を省き発振部だけの今作るならになっていました。初ラ連載の波形整形部とつないでもらおうとの考えでした。
今回、12V電源化のためと、Euroの小さな基板に実装するための部品点数と調整箇所の削減を目指しもう一度見直すことにしました。
また、Sync入力を立ち上がりエッジに変更したのに対応して、鋸歯状波も立ち上がりエッジのある逆極性に変更します。
DCを出力しないVCOのレベルシフトとしては、交流結合を利用すると簡単で調整不要になるので採用し、12V電源化により発振振幅が減少したので、反転ACアンプで増幅し±5Vで出力するようにしました。
しかしシンセで交流結合を利用することは、慎重な検討が必要です。
例えば、鋸歯状波にSyncを掛けると上下非対称波形になりDC成分が乗ります。この僅かなDC変動は、鋸歯状波の音声出力としては問題にならずOKです。
しかしこの波形を三角波変換に与えると問題が生じます。
Syncにより変動したDC成分が折り返して三角波を作る際の動作点を狂わし、波形が崩れるのです。したがって、三角波変換回路の入力は、DC成分まで必要になることになります。
そこで調整は必要になりますがDCレベルシフトを用いて三角波変換に与えるようにしました。
三角波変換回路は、2点改善しています。
1点目はオペアンプのフィードバックループに入れたことでDCレベルが安定化されたことです。この回路は、正負の電源電圧の絶対値が等しければ、折り返しレベルが正確にGNDレベルになりますので使いやすくなります。
当初は、初ラ連載と同様にNPNトランジスタを使っており、連載と同様に、鋸歯状波の折り返しでの遅延によるグリッジが発生します。 グリッジの原因はトランジスタの特殊な使い方に起因しています。(この動作の詳細な説明は、「連載の・・」のP.41に詳しく書いていますので省略します。)
つまり、下図のような正極性の鋸歯状波が入力された場合、
鋸歯状波の前半ではトランジスタのB-Cが逆バイアス、つまりまともなトランジスタ動作になり、ゲイン-1の反転増幅としての動作になります。逆に、鋸歯状波の前半ではトランジスタのB-Cが順バイアス、つまりダイオード動作になり、ゲイン1の非反転動作になります。
ここで、グリッジがでるのは、鋸歯状波の後半と次の波形の前半のつなぎのところです。
後半はダイオード動作で早いのに対し、次の鋸歯状波の前半はトランジスタ動作なのでスイッチング速度が遅いため、うまくつながらずグリッジになります。
グリッジを無くすために、その後にある反転増幅のフィードバック部にコンデンサを付加しLPF動作をさせることでグリッジを除去します。しかし1次のLPFなのでグリッジを消そうとすると相当低いカットオフになるため、1KHz以上で三角波の振幅が低下する欠点がありました。
これはしょうがないと思っていたのですが、このプロジェクトの相棒の伯氏から改めて課題(グリッジを消すための安易なLPFにより、三角波だけ高域の振幅が減る)として取り上げられ、改めて検討した結果、良い方法を思いつきました。
まず、鋸歯状波を反転するとグリッジがほぼ消えるという現象を偶然発見したことが始まりです。
反転鋸歯状波は、トランジスタ動作とダイオード動作が逆転されるため、つなぎの前半が遅く後半が早くなるのでグリッジが現れにくくなるのだと考察し、鋸歯状波を反転する代わりにトランジスタをPNPにする方法を思いつきました。
このアルゴリズムにより正極性の鋸歯状波からグリッジがほぼ無い三角波が得られました。
このPNPトランジスタのコレクタの負荷にコンデンサをかますことにより、トランジスタ動作をさらに遅らせることが出来るためグリッジを撲滅できました。
また、20KHzまで振幅が減少しない三角波変換が実現できました。
PWM動作を行うコンパレータとして1%程度のヒステリシスを付けていましたが、実験の結果ヒステリシスがなくても振動(チャタリング?)が発生しないことが分かり回路を簡単化できました。
大学のイベント 川上村親子理科教室
6月11日
今日は、大学の地域連携関係の行事で、奈良の川上村の小学校でイベント(親子理科教室)をやります。
川上村は、吉野桜の吉野のまだ先の山間の村で、川上村小学校は全校児童23名です。
10名の補助学生を含む関係者を載せたマイクロバスは、10時に大宮学舎を出発。
空いていて約2時間の行程です。
写真は、途中休憩の道の駅です。
途中昼食を摂り、2時から「親子理科教室」が始まりました。
1名欠席ですので児童22名とその親御さんが参加してくれました。
内容は、冬の八尾ロボットコンテストでやった「LEDバッジ」です。
八尾では、時間を分けて、6名(高学年)を3回やりましたが、
今回は同時に22名が同時で、しかも1年から6年までいますので、なかなか厳しい条件です。
そのため十分時間を掛けて準備をしてきました。
まず一度に、22名のはんだ付けをサポートするのは困難ですので、
先にはんだづけするグループと、先にお絵かきをするグループに、グループ分け、
時間を区切って作業をチェンジすることにしました。
こうすると、はんだ関係とアクリル絵の具関係の用具が半数分で住みますし、
サポート学生もはんだづけグループに集中できます。
写真はお絵かきグループの様子です。
どうしてもはんだづけよりも時間が掛かるので、
事前に描く絵の下書きの予習をお願いしたため、みんな素晴らしい絵を描いてくれました。
このテントウムシは見本にもないパターンのユニークなものです。
次の写真は、はんだ付けを先にするグループです。
子供達は目の色を変えてバッジ作りに励んでくれました。
また、1年から6年まで混在という過酷な状況の中、精鋭の学生10名は頑張ってくれました。
1年の子が小さな手で上手にはんだ付けするのを初めて見ました。
3時半に終了し撤収。
4時過ぎに川上村を後にしました。
千林大宮に着いたのは6時過ぎ。
おつかれさまでした。
EuroRack版 山下シンセプロジェクト(VCO その2)
とりあえずVCOから始めることにしました。
回路としては、「伝説の・・」の今作るなら編の回路が基本になりますが、書籍では波形整形部は公開していませんでした。
また、書籍は連載との互換をとるため電源が±15Vです。これをEuroの±12Vに変更しなければなりません。
■12V動作への変更
VCOで12V化の影響が出るのは、アンチログを含むCV関係の回路と、波形の振幅に関わる波形整形部になります。 振幅については、12V動作の555で発振させると発振振幅が小さくなる分も影響を受けます。
Jackのパネル面でのレイアウトとしては、各上から
Jack1 CV input ( Oct /V )
Jack2 Sync input
Jack3 CVFM input
Jack4 CVPW input
Jack5 Saw tooth wave output
Jack6 Triangular wave output
Jack7 Pulse wave output
ボリュームは
VR1 Freq(10 octave)
VR2 Tune( ±1 octave)
VR3 FM ( Jack3 CVFM CVのデプス)
VR4 PWM(Jack4 CVPW CVのデプス)
VR5 PW controle
これだけ詰めたら、ボリュームもジャックもギチギチです。もう限界でしょう。
基板はElecrowのprototypeで作るので50mm*50mm単位ですので、なんとか100mm*50mmに抑さえました。
特殊な部品は、DualPNP(1KΩのtemp抵抗付き)はBeatnic製です。
beatnic.jp : Matched Pair NPN module with T.C
アンチログの分圧抵抗RV1+R5 は、(Q1)DualPNPの端子1-5間に1KΩのtemp抵抗が接続されていることが前提の回路です。
また、J-FETは、2SK30(Y)とJ113が使用できますが、ピン配置が違うので両用のパターンにしています。(実装はどちらかで良い)
オシレータシンクは、入力波形の立ち上がりエッジで掛かります。したがって、波形整形部では、鋸歯状波を反転して出力する予定です。
555はバイポーラを使います。