電音の歩み

電子楽器を中心とし、ものづくり関係も含めて紹介していきます。

EuroRack版 山下シンセプロジェクト(VCOその1) スタート

今年初めから、伯さんと武田さんとで、アナログシンセのビルダー育成を目指したプロジェクトを始めました。
とりあえず比較的標準的な回路で初級者にも作りやすいモジュラーシンセのキットを開発して、ワークショップをやろうということにしています。

 

まずはキットの開発からスタートです。

具体的には、EuroRack版の山下シンセのイメージです。

EuroRackにする理由は、今モジュラーシンセを作るならEuroRackやろということと、

パネルの小さなEuroRackシステムにしてパネル裏配線の無い作りやすいものにすることです。

モーグやローランド風のおおらかなパネルを持つオリジナルの山下シンセは、パネル裏でのボリューム、ジャック、スイッチなどの配線が多く、初級者には難易度が高いので。

 

ただ問題は、私も伯さんもEuroRackは初めてで、狭いパネルに望むインタフェースをどう配置するか、パネル面での信号の流れはどうするのが普通かなどEuroの哲学が分からず難儀しました。 実際にEuroRackモジュラーシンセを使って演奏されている方にも協力を仰ぎ進めてきました。まぁ結局の所よく分からんと言うことでしたが。

なじみのあるモーグ等では、オーディオ入力系は左上、CV入力系は左下、出力は右側というパネル配置がディフォルトでしたが、Euroではそんなことをするスペースがない。Doepferのパネルを見てもオーディオ系とCV系が区別されずに上から下の流れになっているし、別のメーカーのはまた違う。


パネル裏への基板の実装としては、直交配置させる構成を採ることに決めましたが、ここでもボリュームとジャックの選択で苦しみました。ボリュームと基板との取り付け強度の問題や、ボリューム軸のDカット問題(Dカットのツマミのマーク位置が基板を縦実装すると90度ずれる)他、無数にあらわれ、ボリュームとジャックに何を使うかで何ヶ月もかかりました。

 

Doepferの初期のモジュールは、1枚の基板の両面にボリュームとジャックを実装し、どちらも基板固定とパネル固定を行うというアクロバティックな構成です。これには奥行きが極小のジャックと、軸と首の長いボリュームをジャックの後ろに配置することが必要になります。

A-100 do it yourself page


ありこれ擦った揉んだの結果、

ジャックはDoepferとCL1362が手に入りました。

ボリュームは、Doepferと同じもの(軸と首がながく、基板への固定金具が点いている)は特注で1000個単位になるため諦め、別作戦へ移行。

伯さんが、Doepferと同形状の固定金具のみの入手に成功したので、軸と首の長いのが見つかればOKまでこぎ着けました。

  写真は、それに期待してVCOに実装してみたものです。

 

f:id:hhh_yama:20170605221457j:plain

 

しかし首の長いものは見つからず、結果的にaitendoの軸だけ長いものを使いこなさざるを得ない事態になりました。

首が短いダブルナットでパネルに共締めというDoepferのテクニックが使えないため、別の方法を編み出しました。サブパネル法です。

f:id:hhh_yama:20170605221815j:plain

 

レーザー加工機が利用できるので試作が用意と言うことでアクリルでパネルを試作しましたが、以外と良い感じなので、本番でも使いたいと思います。