電音の歩み

電子楽器を中心とし、ものづくり関係も含めて紹介していきます。

EuroRack版 山下シンセプロジェクト(MIDI-CV/DCOその1) 伯氏作のMIDI-CV/DCOの紹介です。

本プロジェクトの相棒の伯氏作のMIDI-CV/DCOモジュールを紹介します。

 

MIDI-CVとしては、私も「伝説の・・」用に開発したものが有り、実際beatnicさんを通じて基板を配布しています。デュアルボイス対応のものでAVRで開発したものです。

 

しかし、レガシーMIDI専用のためキーボードの選択が難しいのが現状です。安くてコンパクトなキーボードは皆USB-MIDI専用です。

 

そこで伯氏にUSB-MIDI対応のMIDI-CVの開発をして頂きました。

今回私は色々注文を出すのとパネル作りのみです。

USBホスト機能が必要なので私の苦手なPIC を採用。

まだ余裕があるようなので、エイリアスレスのDCOも備えています。 波形も選べ本格的です。

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私がアームテルミンやメロトロン・シンセで採用しているDDS方式は、波形テーブルをひくアドレスを差分の加算で算出する方式で、サンプリング周波数が固定なので複数音の発音が容易です。その代わり、サンプリングレートと発音周波数の関係が全て変わるため、原理的にエイリアシングが発生するため、厳密な帯域制限が必要だという難しさがあります。

 

ここでエイリアスレス方式というのは、私が勝手に呼んでいる方式ですが、発音する周波数の整数倍(例えばあるピッチでは32倍とすると)を16bitCTCタイマーに設定し、それによるタイマー割り込みで32段階の波形を生成します。 サンブリング周波数が割り込みのジッタのみの誤差で発音ピッチの整数倍になるため原理的にエイリアシングのでない方式です。 欠点は、他の割り込みと重なるとジッタが発生し音が濁るため、単音に限定されます。

逆に帯域制限が不要なので、単音で良ければ、アナログに匹敵する抜けの良い発音が期待される方式です。

 

元々は、デジタル発音で正確なピッチを再現できれば、VCOのチューニングに便利ということで、設けることにしましたが、実現できたクオリティーはVCO並で十分に実用的なものになっています。

 

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